本来は「三尺下がって師の影を踏まず」だそうです。
でも私はタイトルのように三歩下がって〜と覚えていました。
中途半端に類似の言葉に頭の中で置き換えられてしまうと
意味は通じてしまうのもあり、正しい記憶への置換が不安になります。

で、「師」ということですが、転職を何度も経験しているのですが
運良く、今まで自分の人生において「師」と勝手に思っている方に
何人かお会いすることができました。
先方は私のことはとるに足らない、
関わった人間の一人としか思っていないかもしれませんが
間違いなく、仕事観、職能、考え方等自分の人生において
その影響なくしては今の自分は存在しないと言い切れる方々です。

今考えると一笑に付されそうなことで、本来誰にとっても当然のことなのですが、
まだMacを覚えて調子に乗っていた頃の私が
Macを面白そうに触りながらも、その技術の習得には興味を示さない「師」に
本気で使ってみないんですか?楽しいですよ?と、本当に調子に乗って聞いたところ
笑いながら、データを確認できればそれ以上は仕事に必要ないから楽しむくらいで十分、
と答えてくれた方のことは未だに心に残っています。
それがなければ、そのことは言葉、知識としては知っていても、
もっと後になるまでMacでデータをこねくり回すことが
デザイン、ものづくりだと勘違いしつづけていたと思います。
その方だけではなく、そこで出会った方々は基本自分でPCに向かいませんでしたが
自分が「デザイナー」であると胸を張って名乗り、誰にもそれを疑わせない
仕事をされていた方々で、コンピューター上で要素を触ることが
デザインではないと本当に最初に教えてくださった方です。
ものと同時に、今の私もかたちづくってくださいました。

今も私はMacの前で、自称「ものづくり」をしていますが
そんな「師」に、こういうものをつくっています、
と言えるような結果を出しつづけつつ、
そんな後進の人間成形になんらかの影響を出せる人間でありたいと思った
所信表明っぽくまとめてみた18期最初の更新です。



ディレクター S